なぜ読書感想文を書くのか

昼はまだ暑いけれど、日が暮れればもう秋を感じるようになってきて、この時期になると思い出すのは、小学生のころの読書感想文ですね。


僕はあれが本当に苦手で、確か原稿用紙に3枚書けと言われていたのに、1枚の半分を埋めるのにも今では信じられないほどの時間がかかった。
自分の書く文章が、自分の実際の感想とかけ離れた、あまりにも陳腐なものにしかならなかったから。


語彙も表現の手法も大して知らなかったから、それは当然のことなんだけれども、この、十分に表現できないということを自覚することこそが読書感想文という課題をこなす中で達成するべきものだったんじゃないかと、今になって気づいた。

中にはスラスラと感想文を書いてしまう子供もいるけれど、それは本当にそこに書かれている程度の感想しか持つことができなかったか、言葉で全てを表現することは不可能だと見抜いたかのどちらかだろう。僕は書けなかった子供だったので、よくわかりません。

読書だけじゃなくて音楽鑑賞感想文とか絵画鑑賞感想文を書かせればいいのに、と思った時期もあったけど、少し考えたらこれは読書感想文よりもずっと難しい。書くのも難しいし、教師が内容を評価するのも難しい。

読書感想文がなかなか書けない子供がいたら、なんとしてでも本人に最後まで書かせましょう。
そうして彼は、自分の勉強不足を知るのです。


僕の場合は、感情と表現のギャップが比較的小さい(ように見えた)理科系の教科に興味を持つようになりました。