音楽も萌え要素の組み合わせになるのかな

GIRL NEXT DOORが明らかにday after tomorrowのコピーであることは、僕にとっては驚くべきことで、またそれが、経済的・テレビ的に成功している(ように見える)ことは、衝撃的だった。
オリコンでCD売上げの順位が高いこととか、NHKの紅白に出ることが、現実に売れていることとか、人気があることを示しているのか、ということには疑わしい部分は多い。けれども、順位が高いことや紅白に出演したことは事実で、これに疑問を感じない人にとっては、現実に人気があるようにしか見えないんだろう。


なぜこれを受け入れることができるのか。
同じものじゃないのか?
確かに4,5年前にも僕は同じものを見たし聴いたぞ。


というようなことを考えていたけれど、これは少し前のアニメにも持っていた感覚だ。
どこかで見たような見た目と性格のキャラクターが、どんなアニメにも居るような気がした。
アニメの場合は、明らかなコピーではなくていろいろな印象の寄せ集めだったから、はっきりと自覚できなかったけれど、今回はさすがに気が付いた。気付くのが遅かったかもしれない。


最近の、売れているとされている曲が、なんとなく似たようなものの気がするのは、必ずしも僕が少々歳をとったことが原因ではないのだろう。
特に視覚的に捉えらることができるものにはそれが目立つ。「アコギを持った男性2人組」が流行のサイクルよりも、ずっと速いペースで出てくる(売れる)し、歌詞の世界観は限られたパターンしか目に付かない。
もし、全く新しいタイプの曲が出てきても、それが売れれば、とてつもない早さで消化吸収されていく。僕は音楽が好きなせいか、芸術だと思っていた音楽は既にマーケットにすっかり飲み込まれていたという、この状況をなんとなく残念に思う。


芸術は孤高・超然としたものを目指すわけではなく、誰かから何らかの良い評価を受けることや、逆に影響を与えることを意図する。そして、この意図がある程度以上達成された瞬間に、マーケットの一部になってしまう。


ただ、音楽の場合は、今のところ、どうしても作家性を抜くことができないのが救いかもしれない。
どんなに和声法のような音楽理論を駆使しても、音楽を分析することしかできない。
売れている曲のコード進行を借りてきたところで、元の曲と同じ魅力をもった曲は作ることができない。音楽の魅力は、分析すればするほど壊れてしまうようなところにあるので、「○○っぽい曲」と言われる曲がたくさんできるだけなんじゃないかな。