未来のGoogleストリートビュー

Googleストリートビューに関する、プライバシー云々の問題は、これを小出しにしてきたのが原因なんじゃないか。


今のところ、ストリートビューは札幌、小樽、函館、仙台と、東京・大阪周辺にしか使えない。
ここに住んでる人たちの「どうして俺の家だけ撮影するんだ」という思いが、そのまま言うとわがままにしか聞こえなくてカッコ悪いので「プライバシーを侵害している」という表現になっている。
そんな歪んだ表現をするから、おかしな話になる。


多分Googleは、完全なストリートビューを目指している。
日本の全ての道路でのストリートビューが完成したら、どうなるだろう。
僕は、そのようなストリートビューというものを、単に非常に緻密な地図だと捕らえる。
あるいは、現実の世界のある一瞬を撮影した、巨大な半立体的な一枚の写真だと捕らえる。
こうなった時に「どうして俺だけ」から編み上げられた「プライバシー」の意識に力はない。


とりあえず、思いつく解決法は、もっと厳密なプライバシーについての議論をしていくこと。
他には、家を地中に作ったり、マサルさんみたいに家全体を布で覆ったりして、見えないようにすればいい。


もっと進むと、セキュリティとの兼ね合いも問題になるかもしれない。
今、ストリートビューの世界には夜が無い。
理由は、撮影に時間がかかるのと、地図として使いにくいからだろう。
でも、昼のストリートビューが完成したら、順当に考えれば、時間軸のプロットをもっと密にしていくようになるんだろう。
たくさんの地点から撮った写真を組み合わせたストリートビューは、写真がビデオに置き換わる。
究極の監視社会かもしれないけれど、これを望む人も多いんじゃないか。


たとえば日本の全ての電柱にビデオカメラを取り付けてみる。
べつに電柱じゃなくてもいいけど、イメージとして道路脇には電柱が並んでるから。
電柱は10mおきに立ってるとして、ビデオカメラは1台10万円としてみると(ちょっと安いかな?)、1kmあたりが1000万円。
日本の道路がだいたい120万kmくらいあるらしいから、全部で12兆円。
さすがに高すぎるなあ。
もし実現できるなら、色々とおもしろいことになりそうなんだけど。


妥協して国道だけにしてみると、5万5000kmくらいで、合計5500億円。
カメラをネットでつなぐのに、1000億円でどうだろう。これで6500億円の初期投資。
これの運用に年間1000億円として、カメラは5年で総入れ替えされるとして年間1100億円で、毎年2100億円。
警察が国道をパトロールする必要がなくなると思うと、そんなに悪くないんじゃないかなあ。
国道に関しては、交通事故の処理もかなり簡単になるだろうけど、交通事故全体の内で、国道で起きるものの割合が欲しい。
だけど、もう眠たくなってきた。