プロとアマチュアの差

新聞や雑誌といった紙のメディアは、インターネットの普及で廃れるとは、よく言われることだけれど、廃れるのは紙のメディアだけじゃないんじゃないか。
紙媒体が最初に話題になったのは、ブロードバンドが今のように普及してなかった時代、ウェブサイトはテキスト中心だったということと、当時のパソコンを使ってアマチュアがプロに対抗できるものが、ワープロソフトを使った文章くらいしかなかったからだろう。今は光回線が一般家庭にまで普及して、テレビ放送並みの画質の動画をインターネットで見られて、パソコンもソフトも安価で高性能になった。デュアルコアCPUのパソコンが10万円台で買えることが今でも信じられないくらいだ。
僕は趣味としてパソコンを使って作曲をするんだけれど、そのときに使う、DAWと呼ばれる音楽制作の統合環境ソフトのようなものがある。このDAWに2〜3万円も出せば初心者には手に負えないほど機能がついている。10数万円のものならもうプロ用だ。その他のソフトとかデータ入力用の鍵盤とかも全部あわせて50万円も出せば、作曲の環境としてはプロと遜色ない。最近はregretなんていうLinuxディストリビューションも始まった。
これは音楽に限った話じゃない。パソコンだけで完結できなかったり、多くの人の協力が欠かせない彫刻や建築や映画なんかは簡単にはできないけれど、それ以外なら同じような状況にあると思う。
環境があっても知識を習得する場がないと思うかもしれないけれど、羽生善治棋士の言う「高速道路」がある。高速道路が整備されていれば、知識も環境もプロとアマチュアの差は無い。あとはセンスやアイデアだけの勝負になる。初めの紙媒体の話と同じ状況だ。


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